黒田一級建築士事務所
   代表 黒田 良太氏

黒田一級建築士事務所 代表 黒田良太氏

黒田氏のプロフィール

黒田一級建築士事務所
代表

日本工業大学大学院建築学専攻修士課程卒業後、株式会社熊谷組、住友不動産株式会社を経て、黒田一級建築士事務所設立。

RC建築から木造まで幅広く扱う。

一級建築士事務所登録(神奈川県知事登録第13181号)
建築鉄骨施工管理技術者
一級建築施工管理技士

会社所在地
横浜市港南区上大岡西2-2-3
荻野ビル307号
TEL:045-846-6793

三峰での主な実績
横浜市中区山元町M邸


木造建築をメインに設計されている、一級建築士の黒田先生。
ゲストハウス・フランス山2Fにお越しいただき、黒田先生のお仕事についてインタビューをさせていただきました。

ひとつひとつの質問に丁寧に答えてくださる様子から、お仕事の丁寧さがうかがえます。話し方もふんわりとした優しい雰囲気の先生です。

奇をてらうことよりも、そこに住む人たちの暮らし方を常に考え、提案していく黒田先生の元風景は「となりのトトロ」に出てくる素朴で温かみのある、家族とともにある家でした。

三峰とのお付き合いの始まりは、ある物件の設計を助けてくださったところから。

とても頼りになる優しい先生です。

--黒田先生は、普段はどんなお仕事を手がけていらっしゃいますか?

黒田:木造住宅がメインですね。大学院では RC について専攻していましたが木造に辿り着きました。

--木造の良さ、というとどんなとこでしょうか?

黒田:におい、感触、温かみなど五感で感じることのできる自然のものだから、ということでしょうね。

もともと人間は自然の中で暮らしていたわけですから、そういうものに囲まれていたほうが本能的に安心できます。

--そうですね、毎日暮らす家ですから安心したいですよね。構造だけでなく、デザイン的に興味のあるものはありますか?

黒田:家のデザインや色使い、流行の設備というのは、もちろん大切ですが、それは主体じゃないと思うんですよ。大切なのは、そこに暮らす人たちの暮らしが見える家であるということです。

もし、デザイン性を追求するのであれば「簡素」ではなく、余分なものを削ぎ落とした「シンプルな美しさ」を求めたいと思います。

単に「綺麗な家」を建てる事はできると思うんですが、それは汚れたりするんですよ。

でも「シンプルで美しい家」は、やっぱりずっと美しい。

そういう普遍的な美しさが究極のデザインなんだろうなと思っています。

--普段のお仕事は、もちろんオーナー様の意向があって家を建てていらっしゃると思うのですが、どんなことを考えていらっしゃいますか?

黒田:家というのは不思議なもので、設計をする人の人間性を映します。

お客さんとのキャッチボールを繰り返すうちに、建築家のフィルターがかかるんです。そうして出来上がった家というのは、間違いなく建築家の人間性が現れる (笑)

それが住む人たちにとって結果的により良い提案となるように心がけています。

--では、思い通りに家を建てるとしたらどんな家になりますか?

黒田:「雨やどりができる家」がいいですね。
子供のときはそういう家っていっぱいあったじゃないですか。

他人の敷地に無断で入ることの善悪云々は置いといて、ちょっとした優しさのある家がいいなぁと思います。

あとは「子供が寄り道したくなる家」
自分の子供を見ていて思うのは、寄り道ルートって安心できる楽しい場所だと思うんですよ。そういった雰囲気を自然とかもし出せる ” 心ある設計 ” ができたらと思います。

そして、 100年後も200年後も住みつづけられるような家。
個人的には薪風呂のある古民家とか。

何でも便利であることが良いとは僕は思ってないんです。
だから最新の設備や流行に振り回されるのではなく、そこで何世代もの家族が生きていく、そういう家がいいですね。

--建築士としての楽しいエピソードとかありますか?

黒田:まだまだ駆け出しの頃、初めて大規模分譲地の 1 区画の建築をするときに隣の区画に家を建てそうになった事はあります。

--大事件ですね。なぜそんなことに?

黒田:現地確認は何度かしたんですが、オーナーさんと一緒に行ってなかったんですね。

広い造成地の中で、番地表示もない場所でしたから。
打合せをしていくうちに、食い違いがでてきまして (笑)

それ以来、確認はしっかりと、そして必ずオーナーさんと一緒に現地確認をするようにしています。

-- なるほど。では嬉しかったことは?

黒田:一番嬉しかったのは、やっぱり初めて自分の設計した家が建った時です。もうこれは本当にうれしかった。建築士だったらみんなそうじゃないかな。

設計通りのものを、期日までにきちんと仕上げてお客さんに渡す。それは当たり前のことですが、その上で+αがあって初めてお客さんは満足してくれるんですよね。

心から「ありがとう」と言われれば、もちろん今でも嬉しいです。ありがとうと言ってもらえる限り、生まれ変わっても建築は続けると思います。

-- 仕事は楽しんでいらっしゃるんですね。ところでご趣味は?

黒田:お酒ですね。お酒なら何でも好きですが、ビール、日本酒、バーボンが好きです。

年に 1 、 2 回、夏の夜しかできないんですが、田舎の大自然の中でホルストの組曲「惑星」を聞きながらバーボン片手に満天の星空を見るっていうのが楽しみです。

格好つけてるんじゃないですよ。本当に好きなんです。

-- では次の夏を目指して、これからも三峰と一緒によろしくお願いいたします。楽しいお話をありがとうございました。

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