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一級建築士事務所 エル・ケー・デザインオフィス |
一級建築士事務所 聶氏:関東学院大学工学部建築学科卒業設計事務所を経て、鈴木氏とともにエル・ケー・デザインオフィスを設立。 鈴木氏:関東学院大学工学部建築学科卒業。 数多くの中華街有名料理店、各種店舗の改装、内装、増築を手がけるともに駅ビルの企画、三峰「ゲストハウス・フランス山」まで幅広く手がける。 一級建築士 主要受賞歴 会社所在地 三峰での実績 PHOTO |
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一級建築士事務所 エル・ケー・デザインオフィスの聶 立東(しょう りっとう)先生とパートナーの鈴木香織先生にお話を伺いました。 聶先生と鈴木先生は、三峰「ゲストハウス・フランス山」の設計デザインを手がけてくださいました。 アーバンデザインを取り入れた横浜中華街の店舗リニューアル等も数多く手がけていらっしゃいます。 模型なども交えて家の構造やコンセプトを、人懐っこい笑顔と熱い情熱をもってお話ししてくださいました。 設計のみでなく、インテリアのコーディネートも行うため、アンティーク家具を直接中国へ買い付けに行くなど、アクティブで情熱のある設計デザイナーのお二人です。 |
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--ゲストハウス・フランス山を設計デザインしてくださった時のことを教えてください。 聶:あれは、三峰の繆社長と社員さんの希望をたくさん言っていただいて、プログラムや要望を聞いて、デザインは全面的に任せてもらって作ったんですよ。 -- かなりお時間をかけて設計デザインをしていただいたと聞きましたが? 聶:最初はRC(鉄筋コンクリート)で作ろうしていたんです。実際に建築確認申請まで行ったんですよ。 (笑) --ゲストハウス・フランス山のような大空間は、木造では珍しいそうですね? 鈴木:ハード面については構造設計の先生と、とことん話し合いました。 聶:プログラムをとことん追求したらそうなったんです。 鈴木:ゲストハウスを訪れた方が「木造でももっと自由に、夢を膨らませられるような家つくり」とができることを実感していただけるとうれしいですね。 --聶先生は元町のあたりで育ったということで、やはりあの場所に建物を建てるということに対して特別な想いがありましたか? 聶:そうです。あの界隈で育ちました。あの辺りは散策をするにしても、横浜らしい、本当に気持ち良く楽しい場所ですし、外国人居留地だったのでお洒落で心地よい場所でもありますよね。 そういう場所に建てる建物ですから、同じように心地よい、気持ちよい場所にしたかった。だから建物があることでその土地のポテンシャルがアップする場所になって欲しいと強く思いました。 --場所の雰囲気というのは大切ですよね。ところで、得意分野や普段手がけているお仕事について教えてください。 鈴木:商業系が多いです。それもレストランばかり。 聶:8割方そうです。 鈴木:聶の知り合いがデパートの中に中華レストランを出店するのでデザインを頼まれたのを皮切りに、横浜中華街の中にある店舗改装の仕事を数多く手がけています。 -- お客様がお客様を連れてきてくれる、ということですか? 聶:そうですね。中華街は今まで同じような設計デザインでした。それを変えたいという層がいらっしゃって、たまたま僕が手がけた物を見て「今までと違う面白いデザインをする」と気に入ってもらったのが始まりです。 --デザイン以外の面で気を使ったことは、何かありましたか? 聶:最適化? (笑) 鈴木:中華街の古い店舗は、改装や増築を重ねていていつのまにか導線が崩れてしまっているんです。導線が崩れるとお客さんも困るし仕事の能率が下がるんです。 聶:そのためにはアンティーク家具の買い付けに中国にも行きます。そうやってトータルで見たときに美しい空間を作り上げられるように気をつけています。 鈴木:そう。導線が整理されてくると、余計なストレスも減って従業員さんたちも変わりますよ。店舗が綺麗になってストレスが減るので、従業員さんがはきはきして身だしなみや言葉遣いまで変わったとお褒め頂いたことがあります。 --それは素晴らしいことですよね。ところでゲストハウス・フランス山と中華街風のデザインでは随分かけ離れているように思いますが? 鈴木:そうですね。自分たちのスタンダードはゲストハウス・フランス山に近いですよ。中華街の場合はオーナーさんの望む「純中国風デザイン」と私たちのデザインにどう溶け込ませるかというのは毎回課題になっています。 聶:僕たちのベースは現代のインターナショナルデザインで、「中国風のゴージャス」というのは、最初は感覚的にあまりなじんでなかった。 --設計デザインをするときに心がけている事はなんですか? 鈴木:デザインや形、建物だけを見るのではなく、色々な要素を考えます。どんな人が来て、どう使ってもらえるか。もちろん商業ならお店の売上に結びつけることも考えます。 聶:ストーリーをたくさん考えます。その建物や空間がどういったシュチエーションでどういう風に、どんな人に使われるのか。 春夏秋冬、利用される時間帯、家族か、カップルか、一人なのか。どんな時間を過ごすのかということを考えて、どうしたらその中で気持ちよく過ごしてもらえるかを考えます。 さっきの中華街のデザインを例にすれば、自分たちのお客さんを中華街に連れて行くときに、連れて行って楽しく過ごせる店舗ということになります。 --これからどんなものを設計デザインしたいと考えていらっしゃいますか? 聶:古いものを大事にしたいのがひとつ。そして自分たちの手がけたものも10年、20年、100年と残していけたらと考えます。 最先端でアバンギャルドであって欲しいとも思いますけれど、それは流行ということではなく、普遍性という意味での格好良さです。「この町にはこの建物がある」そういうものを作りたいと思います。 --設計デザインに対してのポリシーみたいなものはありますか? 鈴木:私は素直さを大切にしています。家を作る過程で情報量が多すぎてオーナーさん自身が迷ってしまった時には、その人らしさを引き出せるように心がけています。 聶:僕はその人の良いところや可能性を引き出して、気持ちよく過ごせるように心がけています。リラックスできる心地よさもあれば、背筋を伸ばす心地よさもありますが、家を建てたことによって、その人、その家族が今まで自覚していなかった面を引き出せるような仕掛けを入れておいてあげたいと思っています。 --自分で好きなものを建てられるものとしたら? 鈴木:家というのは、一生のうちに何度も建てるものではありませんよね。 聶:住空間というのは建築のベースになっているものだからまたチャレンジしてみたいですね。 自然が与えてくれる素材を使わせてもらうのだから、スクラップ&ビルドの消費対象ではなく、その場所にずっとあるべき建物で、みんなに愛されて長く使ってもらえるものを建てたい。 自然の素材を使う事は、もちろん環境を破壊するのだけれど適正な数量使うこと。 --今はどんなことに興味がありますか? 鈴木:私は環境問題と子供です。特に今年は温暖化の影響がはっきり出ているので。 --お二人はご夫婦でもあるわけですが、お子さんが出来たことで設計デザインへの影響はありましたか? 聶:いっぱいありましたよ。今までは格好良いと思っていたデザインも、子供にとっては危険なんだと気付きました。特に本棚とか机とかの角! 鈴木:そう、角は怖いんですよね。子供の目線になると、テーブルトップのデザインひとつをとっても角をまるめるほうが良いとか思うようになりました。 聶:多少の高さとか、階段とかは良いと思うんですよ。成長と共に楽しい場所になりますから。段差も極力少なくしたいけれども、段差があることで見えてくる風景もあるから、そういうものも大切にしたい。 --たくさんの楽しいお話をありがとうございました。これからも三峰の良きパートナーとしてお力添えをよろしくお願いいたします。 |
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